具体的な作業をして機能を向上させる「作業療法」


「作業療法」は、具体的でさまざまな作業を通じて、患者さんが生活を送る上で必要な機能の「治療」「指導」「援助」を行うことをいいます。

ここでご紹介する「具体的な作業」は、食事・入浴などでの日常生活の動作や、家事・交通機関の利用などの「生活に関連する」全ての活動が含まれています。

麻痺側の手の機能の回復をはじめ、具体的に日常生活動作の自立を目指すものです。

手の機能が日常生活に支障が無くなるまで回復する場合と、麻痺していない方の手の“補助”として使える状態に回復する場合があるため、患者さんの病状によっては、どの段階まで回復できるか個人差が大きくあります。

重度の麻痺の場合には、「利き手交換」などが提案され、麻痺の無い方の手を利き手にする訓練を行う場合もあります。

その他、身の回りの動作を“片方の手で”行う訓練や、道具などを利用したり、生活しやすいように工夫されたリフォームをしたりする上で、アドバイスを頂くことができます。

●手や腕の訓練と日常生活動作(ADL)
食事・着替え・入浴・文字をかくことなど、自立して生活するために今まで行ってきた作業を、できるだけ患者さん自身で行うことができるように回復を目指すことが大切です。

【輪入れ】
少し高めに立ててある棒に輪を入れていく動作を、麻痺側の手で行います。
慣れて患者さん自身で輪入れ動作を行えるようになるまでは、作業療法士が患者さんの手・腕を持ち誘導してくれます。
この輪入れの目的は、肩を挙げて動かすことを目的とします。

【ペグボード】
ボードの面には、いくつもの窪みがあり、そこにはめてある「ペグ」と呼ばれる小さな棒を麻痺側の手でつかみ、ボードの外へ置くという動作を行います。
小さな物をにぎる・つかむ、それから手を離すことが目的です。

【利き手交換】
麻痺側の症状が重い場合には、利き手を麻痺していない方の手に変え、使えるように訓練を行います。
器に入れた豆などの細かいものを、箸でつかんで別の器へ移動させたり、文字をかく練習をしたり、シャツのボタンかけやはずしなどをします。

【食事】
一番回復が早いといわれている「日常生活動作」のひとつで、1日3回の食事が必然的に訓練になるため、続けやすいのです。

・利き手でない手や麻痺側の手にも使いやすいように工夫された、スプーンなどの柄が太い物や、温めることで手の形にフィットさせることのできる物、トングのようになっているお箸などもあります。

・コップは、陶器やガラス製などではなく、軽くて割れにくいプラスチック製で、「大きな取っ手」がついているタイプのものが使いやすいです。

・フチが斜めにカットされているお皿は、ご飯やおかずをスプーンなどですくったり、箸で挟んだりする時に便利な食器です。
浅くなっている方からすくい、高い方のフチに沿ってすくい上げるようにすると、うまく取ることができます。

・食事をする時に、滑り止めつきのゴム製マットを使うと、片手が使えなくても食器が滑らないため、食べ物をすくいやすいです。


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